プリントヘッドの不具合とは
ポスターなどの印刷時に画質の低下や欠陥を起こすプリントヘッドの不具合には様々な要因がありますが、大筋でインクが排出されない又は排出時の不良、排出速度、量、方向のエラーが原因となります。
これらの現象が起こると不具合のある色が欠落したり濃くなったりして、スジとなって印刷されます。
インクが排出されない場合は、ノズルの目詰まりなどの原因で発生する事がありますが、ピエゾ形式の場合などはインク室内に気泡が出来てしまい、ピエゾからの圧力がインクに伝わらずにインクが排出されない場合もあり、同様に圧力を発生させる装置に以上を起こした場合も排出が行われない場合があります。
その他の原因としてノズル表面にインクが付着し排出穴を塞いでしまう場合も同様の異常が起こります。
排出量の変化が起こる場合
圧力を発生させる装置の圧力異常などによりインクの排出量が変ってしまうため、多く排出された場合は濃度が濃く、インク量が少なくなった場合では濃度が薄くなると現象が見られます。
排出方向の変化が起こる場合
インクがノズルから排出される方向がズレてしまい、着弾する位置に異常をきたした時に起こります。この場合も本来インクが着弾するはずの場所が薄くなり、ズレて着弾した部分が他の色と重なりあい濃く印刷されそれが、スジとなり品質に問題を起こします。
不具合のさまざまな原因
プリントヘッドに不具合の原因には様々な要因がありますが主立ったものを説明します。
1、ゴミの混入による異常とは、プリンターを使用すると微細な紙くずなどのゴミが、ヘッドに発生する静電気などによって吸い寄せられて付着する事で起こります。
2、インクの凝固です、これはインクの水分が蒸発しインク室内の粘度が高まったり、固まったりする事で排出不良等を引き起こします。固まったインクは排出穴を塞いだり、変形させたりする事で不良を起こします。これは過度の低湿度でインクが蒸発したり、長時間のプリンターの不使用などの時に起こりやすいです。
また、ノズルの撥水加工の劣化などによりインクが劣化部分に付着し、凝固する事によっても発生します。
3、気泡の発生も原因になります。インク室内で気泡が発生する事により起こり、気泡がインク排出のための圧力を吸収してしまいインク排出がなされない異常が起こります。原因としては温度上昇によるインクの蒸発、供給部分からの侵入、カートリッジ交換時に混入、ノズルからの逆流などです。
又ピエゾ形式の場合はピエゾの発生する超音波がインク中に気泡を発生させる事もあります。
品質を保つためのメンテナンスやヘッドの交換
安定した品質を保つためには、定期的なメンテナンスを行い未然に不良を防ぐ必要があります。メンテナンスにはヘッドクリーニングや、ヘッド周辺の清掃等が主ですが、劣化した場合はヘッド本体の交換が必要となります。
交換の際は気泡などが混入しないよう最新の注意が必要です。
最近の機種ではスジやドット抜けなどの不具合を検出するセンサーが付いているものが多く、自動でヘッドの回復動作を行う事が出来ます。
回復動作でも問題が解決されない場合はヘッド交換の指示がプリンターから表示される仕組みになっています。
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