プリントヘッドの主な形式
大判印刷に使用するプリンターのプリントヘッドの形式は主の2種類に分かれます。(サーマル形式)と呼ばれる物とピエゾ方式と呼ばれるものです。
サーマル形式の良い所は、構造が単純に出来ているのでヘッドを高密度にしやすく高速に印刷が出来ます。
もう一方のピエゾ方式はインクを機械で押し出す形式なので使用出来るインクの種類が多いというメリットがありますが、構造が複雑という欠点が有ります。溶剤系のプリンターで使用さることが多いのがピエゾ方式のプリントヘッドです。
日本の有名なメーカーではエプソンがピエゾ形式を使っているのに対して、キャノンはサーマル形式を使っているのが有名です。
ここでは世間で主に使われている2種類のヘッドについて説明して行きたいきます。
サーマル形式
インク室のインクをヒーターで加熱し気泡を発生させます。
その気泡でインクを押し出し噴射します。
ピエゾ形式
ピエゾ素子は電圧を加えると変形する性質が有ります。
電圧を加える事によりピエゾ素子を変形させインクを押し出し噴射します。
ピエゾ素子の説明
ピエゾ素子とは、強誘電体の一つで、振動や圧力を加えると電圧を発生させる素子です。
逆に電圧かけると伸縮する性質もっています。電圧を制御することによって微妙な変化をさせる事が出来るためインクジェット機のプリントヘッドのインク噴射システムに利用されています。
ピエゾという言葉の語源はギリシャ語で圧力をかけるという意味です。
プリントヘッドの寿命
プリントヘッドの寿命はそれぞれの特徴状ピエゾ方式の方が長いとされています。
サーマル式はヒーターで加熱するためインク成分の焦げ付きや気泡の収縮によるダメージが付きやすいというデメリットが有り比較的にヘッドの寿命が短いといわれています。
一方、ピエゾ方式の場合は気泡が詰まる不具合がおこる事が有りますが比較的に性能の劣化は少なくヘッドの寿命は長いというメリットがあります。
プリントヘッドに起こる不具合
使用するインクの違い
サーマル形式ではインクの噴出にインクを蒸発させた気泡を利用するため水を成分とした水性のインクを使う必要があります。
それに対してピエゾ形式では機械的にインクを噴出させるので水性インクにはこだわらずに、様々な種類のインクを使用する事ができるという有利な特徴をもっています。
作製コスト
サーマル形式は半導体を作製するプロセスやMEMS(メムス、Micro Electro Mechanical Systems)の技術を利用して作るので、比較的安価なコスト作る事ができます。
一方のピエゾ形式の場合はMEMSの技術も使いますが、精密機械加工技術が必要な行程が多く作製コストは高めになるという特徴があります。